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- インド特集その④『人材編』
世界で輝くインド人CEO -グローバル人材を育む4つの視点- 1) 教育環境 インドはカースト制が無くなったとは言うものの、一部地域ではいまだに根強く残っていることもあり、職業選択の自由が制限されているとも言われています。 しかし、IT産業は新しい分野であるためカースト制の縛りを受けません。 そのためインドの親たちは、自身の努力と能力で未来を切り開く機会を与えようと、子供たちに高度な教育を受けさせる傾向にあるようです。 また、世界人口ランキング1位となるインドは、人口の多さから競争が激しい国でもあります。 受験や就職活動は熾烈で、インド最難関のインド工科大学(IIT)の入試倍率は100倍を超えるとも言われております。 インド国内だけでなく優秀な学生が世界中からインドに集まっており、ますます熾烈な競争が強いられています。 2) 教育手法 インドの教育は、情報を詰め込むだけでなく、創造性や問題解決能力が身につくように設計されています。 例えば数学においては、19×19のかけ算まで暗記させるなどの暗算教育や、様々な計算方法を組み合わせて合理的かつ簡単に答えを導き出すことを重視する、柔軟性を鍛える教育が行われています。 3) 多様性と異文化への適応力 インドの特徴である、文化的、宗教的、言語的な多様性が、国際的な視野を養う上で強みとなっています。 インド人は異なる文化やバックグラウンドに対する理解力が高く、異文化の環境での適応能力に優れています。 国際的なチームワーク力や語学力が必要とされるグローバル展開において、グローバル人材として活躍できる不可欠な要素がすでに備わっています。 4)テクノロジー分野での強み インドは様々な分野で優れた人材を輩出していますが、特に工学系(IT含む)において優れた人材を輩出しており、多くの高度人材が世界中のテクノロジー企業で活躍しています。 工学系出身のインド人材が世界的なニーズにマッチしていて、特にアプリケーション開発からAI(人工知能)、クラウドといった領域にはめっぽう強く、世界中の企業から注目されています。 【世界をリードするインド出身CEOたち】 1)サンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏 -Google及びGoogleの親会社であるAlphabetのCEO インドのタミル・ナードゥ州出身。インド工科大学カラグプル校で金属工学の学士号を得た後渡米し、MBA等を取得。マッキンゼーを経て2004年にGoogleへ入社。Google Chromeなどのプロダクトマネジメントに携わったのち、2015年GoogleのCEO、2019年AlphabetのCEOに就任。 2)シャンタヌ・ナラヤン(Shantanu Narayen)氏 -AdobeのCEO インドのハイデラバード出身。オスマニア大学工学部卒。渡米後MBA等を取得。 卒業後、Appleに入社。2007年にAdobeのCEOに就任。 3)アービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)氏 -IBMのCEO インドの北部ウッタラカンド州デラドゥン出身。インド工科大学カンプール校を卒業し、渡米後の1990年にIBMに入社。約3兆7千億円を投じたソフトウェア大手、レッドハットの買収を指揮。2020年にIBMのCEOに就任。 4)サティヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏 -MicrosoftのCEO インドのハイデラバード出身。マニパル工科大学で学ぶ。シカゴ大学でMBAを取得。1992年にMicrosoftに入社。クラウドおよびエンタープライズ領域の製品開発に携わり、その後、様々な部門でリーダーシップのポジションを経験。2014年にMicrosoftのCEOに就任。 経済産業省によると、日本におけるIT人材は2030年最大で79万人不足するとの試算も出ていて、今後ますます海外人材活用の重要性は高まると予想されます。 工学系を専門とする優秀な学生が多いインド人材の活用は、日本が抱える人材不足の問題を解決する糸口になるのかもしれません。
- インド特集その②『言語編』
インドの言語は数えきれない? -多様性の国インドの言語事情- インドには、国内で約460前後もの言語があると言われていますが、一説には、方言を含めると1600を超えるとも。 正確な言語の数はインド人にも分からないのかもしれません。 数ある言語のうち、ヒンディー語を含む22言語がインド憲法で正式に認知されていて、公用語と準公用語として、ヒンディー語と英語の二言語の使用が定められています。 言語圏が違う方とはどちらかの言語で話をするため、コミュニケーションに困ることはないとか。 インドの紙幣も多数の言語圏に対応していて、ヒンドゥー語と英語の他に15の言語で記載されています。 1) ヒンディー語 主にインドの中部や北部で話されている、憲法に定められた公用語。 デリー首都圏でも公用語として使われています。 インドで最も多くの人に話されているものの、話せるのは全国民の4割にも満たないとか。 しかしながら、世界では中国語、英語に続いて3番目に多く話されている言語です。 中国を抜いて人口が世界一となるインド、ここでも人口の多さがうかがえますね。 2) ベンガル語 ベンガル語はインドの東部、特に西ベンガル州とトリプラ州で公用語として話されていて、バングラデシュの国語でもあります。 インド国内においてもヒンディー語に続いて2番目に多く話されている言語です。 1913年にアジア人初のノーベル賞を受賞した、詩人ラビンドラナート・タゴールはベンガル州(コルカタ)の出身で、インド国歌を作詞・作曲したことで有名です。 現在、インド国歌はヒンディー語で歌われていますが、元々はタゴールがベンガル語で作った作品なんですよ。 3) テルグ語 テルグ語はインドの南部、アンドラ・プラデーシュ州とテランガーナ州で主に話される言語であり、州の公用語です。 日本でも公開され話題となったインド映画「バーフバリ」や「RRR」はテルグ語の映画なんですよ。 16世紀に実在した南インドの王様クリシュナデーヴァラーヤは、「テルグ語が世界で一番美しい言語」と詩に残したとか。 そのためか、南インドの古典声楽にはテルグ語が多く使われています。 4) 英語 インドの公用語の一つ。法律文書や政府の公式文書、教育機関、ビジネス等において英語が使用されています。 また、インド国内で異なる地域の人々がコミュニケーションを取る際の共通語としても使われています。 英語は、過去のイギリスによる植民地支配下で行政、司法、教育の分野で使用されたことで急速に広まりました。 その後、国内で共通の言語が必要とされたことや、ビジネスにおける英語圏とのコミュニケーション手段としての役割など、複数の要因が組み合わさって公用語としての地位を確立しました。 5) タミル語 南インドのタミル・ナードゥ州やスリランカ北部および東部で主に使われています。 90年代に大ヒットした映画「ムトゥ踊るマハラジャ」は当時、日本でも注目されましたね。 ヒンディー語映画界は「ボリウッド映画」と呼ばれ、インド映画の代名詞になっていますが、それに対してタミル語映画界は「コリウッド映画」と呼ばれています。 また、タミル語には日本語との共通点もあって、基本母音が似ていたり、文法や文章構成の基本的な語順が一緒だったりするんですよ。 タミル語圏の方が日本語を話されると、非ネイティブの方特有の癖が無く、聞き取りやすいんだそうです。 多くの言語が共存するインドでは、公用語以外に出身地の言語を含めて3か国語を話す方もいて、ビジネスにおいては有利に働くこともあるとか。 インドの言語環境を理解することは、現地の歴史や文化、ビジネス環境への理解に繋がるのかもしれません。
- 海外人材を活用する3つのメリットとは?
1)人材不足の解消 海外の人材は、異なる国や文化で培った専門知識やスキルを持っています。国内の人材にこだわることなく海外の人材を採用することで、日本国内で不足している専門分野や高度な技術を持つ人材を補うことができます。 2)社内活性化 異なる背景や経験を持つ人材が集まることで、新たなアイデアや視点が生まれ、創造性やイノベーションが促進され、多様性を活かしたチーム作りが可能になります。当然、最初は言語の違いによる細かなニュアンスのずれや価値観の違いで、戸惑いやぶつかることなどはありますが、それによって多文化への対応力が身につくこととなり、社内に多様性が生まれます。 異なる視点からのアプローチや問題解決方法を取り入れることで、企業は新たな成果やビジネスチャンスを見つけることができます。 3)海外での事業展開の円滑化 海外の人材は、日本と異なる文化や言語に精通しています。海外の人材を採用することで、現地のパートナーや顧客と円滑なコミュニケーションをとって信頼関係を築くことができ、それによって海外のネットワーク構築のチャンスが期待できます。 また海外の人材は、現地の市場にも精通しており、地域のニーズやトレンドを把握しています。彼らの知識と経験を活かすことで、日本企業は海外の市場に適切な商品やサービスを提供し、競争力を高めることができます。 インターネットやソーシャルメディアの活用により、海外市場のニーズやトレンドを理解することはできるかもしれませんが、現地を知っている・理解している海外人材の強みを掛け合わせることで、さらなるビジネスチャンスが生まれる。ついそのような期待を持ちたくなりますね。
- ミャンマーについてもっと知ろう
日本での活躍が期待できるミャンマーからの人材 1)国民性 インドシナ半島の西側にあるミャンマーは、深い信仰心を持つ仏教徒が多く、善行を行うことが現世における福徳に直結すると考えられている、とても信心深い人の多い国です。そのため、人々は施しや分け与えることに重点を置き、親切や協力的な性格を持ちます。また、ケンカやトラブルを好まず、困っている人を助けるために努める姿勢が見られます。比較的日本人に似た性格を持っていると言われることも多く、状況に合わせて柔軟に対応し、自己中心的な態度を避けるため、円滑なコミュニケーションをとることが期待できます。 2)海外への就労を希望する背景 2011年に民政移管するまで長い間軍事政権にあったため、海外との貿易もなく、経済成長が止まっている状態でした。 また最近(2021年以降)の情勢不安もあり、余計に仕事も収入も少ない中、「家族のためにお金を稼ぎたい」「もっとスキルアップしたい」という思いで、多くの若者が給料の高い海外へ働きに出る傾向にあり、特に日本のアニメやキャラクターが人気で、日本文化への憧れや親しみを持つ親日国でもあることから、日本での就労を希望する人が多いようです。 現在でも平均年収は13万円。 日本の高卒の初任給(1か月)よりも低い金額です。 3)言葉の壁 外国人が日本で仕事をする上での、一番の課題は言葉の壁。 日本人が学校で習っても英語を話すのが苦手なように、外国人が日本語の習得に苦戦するのは当然のことです。 そんな中、ミャンマーの母国語である「ビルマ語」の文法は、主語・述語の並び順で日本語と同じなので、単語を覚えると他の国の言葉より比較的早く意思の疎通が出来るようになります。 しかも勤勉で向上心の強い国民性でもあるため、日本語の上達スピードも速いと言われています。 4)若者が中心の国、ミャンマー ミャンマーの平均年齢は29歳(2020年)。日本の48.4歳(2020年)と異なり、若年層が中心の国です。 現在の学校教育では、高校生の時に受ける共通テスト(セーダン試験)の成績順に優秀な大学、学部に割り振られるという仕組みになっており、若い人たちが「本当に学びたいことや自分の才能を開花させる機会」を与えられずにあふれているという現状があるのです。 彼らのやる気や資質を正当に評価して、もっとミャンマーの人たちから選んでもらえる国になることが、現在多くの企業が抱えている人手不足解消の鍵になるかもしれません。
- 海外人材の退職に悩む企業が見落としがちな5つの視点
普段、日本の職場では意識されていない、ちょっとしたことが外国人社員の離職につながっているケースがあります。外国人と一緒に働く皆さんに知っておいて頂きたい5つの視点をまとめてみました。 1)指示でも指導でもない「自分で考えて」が発生していませんか? 日本語を母国語としない、外国籍の働き手に対しては、日本人と同じように「空気を読んだ」対応を期待する前に、言葉の問題を解決する必要があります。日本語を母国語とする者同士の会話では、抜けている部分が多少あっても、内容を推測することができますが、これは日本人が「察する」ことに慣れているからです。 直接的な言葉で表現する文化を持っている国も多く、「自分で考えてもらうためにも、特に言わなくて良いだろう」という考えは、相手の混乱を引き起こし、仕事へのモチベーションを低下させる可能性があります。 2)給与や労働条件はきちんと明確な文書で伝えていますか? 厚生労働省の指針に『事業主は、外国人労働者との労働契約の締結に際し、賃金、労働時間等、主要な労働条件について、その内容を明らかにした書面を交付すること。その際、外国人労働者が理解できる方法により明示するよう努めること』と明記されています。 つまり、労働条件を正確に伝えるため相手の母国語で書類を作成するなどの配慮が必要ということになります。 また、福利厚生や諸手当を手厚く設定している分、本人への毎月の手取り額が少なくなっていることがあり、このような状況を理解してもらうことも大切です。 3)具体的に伝えていますか? 前述したように、日本は他の国と違い「察する」文化が根付いています。日本語にはあいまいな表現が多いため「Yes or No」といった、はっきりした回答を求める外国人にはなかなか理解されず、誤解や困惑を引き起こすことがあります。「上手いことやっておいて」や「なるべく早めに」といった曖昧な表現は同じ母国語で育った日本文化を理解する者には通じますが「上手いこととはどういうこと?」「なるべく早くは具体的にいつまで?」といった疑問が浮かび、認識のズレが発生してしまいます。 特に仕事上では、状況、要望、協力体制、場所、期限といった前提となる情報をはっきりと具体的に相手に伝えることが大切です。何をいつまでにどこで誰とするべきか、最終的に求められる結果は何かといったことを明確に伝える意識が必要となります。 4)積極的にコミュニケーションをとれていますか? 外国人社員と日本人社員の間で、文化や習慣の違いがもたらす誤解や、すれ違いが起こることもよくあります。生まれ育った環境によって、時間の概念や宗教観、生活習慣は大きく異なります。 文化や習慣の違いを理解し、日本の価値観を押し付けるのではなく、相手の意見や気持ちに真摯に耳を傾けことが重要です。 各々が持つ価値観が違うからこそ生まれる新たなアイデアも期待できます。 言葉の壁があり、なかなか理解できない場合も多いと思いますが、身振り手振りで「相手に何かを伝えようとしている」こと自体を感じ取ってもらうことも非常に大切なので、コミュニケーションをあきらめず積極的に接することで良い職場が築けます。 5)宗教の違いに対する配慮が欠けていませんか? 日本では宗教を「その人の一部」とは捉えていない傾向があり、海外から来て住む外国人の中には宗教の違いによる不便さを感じたり、宗教が理解されないといった悩みを抱える人もいます。 日本で働く外国人にとって「宗教に対して配慮がされているかどうか」は仕事を続ける上でとても重要なポイントとなります。宗教によって食べられない物もあり、礼拝の時間やその場所についても問題となることがあります。そのため、宗教に対し適切な配慮を心がけ、職場環境の整備と、一緒に働く日本人従業員の理解向上が大切となります。 日本で生まれ育った私たちにとっては「当たり前のこと」でも、文化や習慣の違う外国人には「そうとは限らない」のが当然です。 どの国でも言えるかもしれませんが「自分の国の当たり前は世界のスタンダードではない」ということを、まず念頭に置いて接していくことが大事かもしれませんね。